レザー(革)の『なめし』方法の種類

革の「なめし」の種類と特徴【皮から革へ】

【皮】と【革】は定義として明確な違いがあります。

 

 

【皮】は何の加工もしていない「原皮状態」のことを指していて、
このままの状態では皮は腐ってしまいます。

 

この皮の変質や腐敗を防ぎ長く皮を使っていくために、
「植物成分」や「化学薬品」などを使った専用の「なめし剤」を使用して、

 

革の主成分となる蛋白質に化学反応をうながし、
革の防腐処理を施します。

 

この「皮に防腐処理を施す作業」のことを
【皮をなめす】といいます。

 

 

この【なめし作業】を終えると【皮】から【革】へと生まれ変わって、
私たちが普段から身近に接している革(レザー)となります。

 

また、革となることで、防腐性はモチロン、
柔軟性が現れて優れた性質を保つことが可能になります。

 

●タンニンなめし(ベジタブル) ●混合なめし

(コンビネーションなめし)

●オイルドレザーなめし ●油なめし
●クロームなめし(ウェットブルー)

 

この【革をなめす工程の種類】は「タンニンなめし」や「クロームなめし」など、
天然素材〜化学薬品を使用したいくつかの種類があります。

 

ここでは、それらの【革なめし工程】の種類と特徴などの
詳細情報を紹介していきます。

【タンニンなめし(ベジタブル)】の特徴とメンテナンス方法

【タンニンなめし(ベジタブルタンニング)】とは、
樹木や植物などから抽出した(天然の渋)を利用して
「革をなめす製法」で、『ベジタブルタンニンング』とも呼ばれています。

 

革の切り口(コバ面)が茶褐色、染料の吸収がよ良く使うたびに
艶がでて手に馴染んでくるのが特徴です。

 

「タンニンなめし」で製作されたレザー(主にヌメ革)は、
たとえ土に廃棄したとしても有害物質が一切発生せずに、
土で分解されるため、エコロジー素材として改めて注目されています。

 

 

また、「タンニンなめし製法」は30以上の工程を経て完成する製法で、
まさに手間と時間がかかるためコスト的に高い「なめし方」ですが、

 

革本来の自然な風合いや経年変化を楽しめるレザーに成長していくので、
レザー好きの玄人の方にファンが多いです。

 

よく、使うたびに「飴色のレザー」になっていく。。という表現は、
主に「タンニンなめし」で作られたレザーアイテムのことを指しています。

 

 

また、「タンニンなめし」は「クロムなめし」でなめされた革と違って、
皮膚呼吸をするレザーなので、過剰なメンテナンスは控えて、

 

「2〜3ヶ月に一回」くらい銀面を布で優しく乾拭きし、
牛の脚(膝)から採取した脂で作られている

 

『ニートフットオイル』などのオイルを塗り込み、
防水スプレーをかけます。

 

場合によっては、『マスタングペースト』
『ラナパー』などの固形WAXを「極薄に」塗ったのち、
『馬革ブラシ』でブラッシングするのが効果的です。

【オイルドレザーなめし】の特徴とメンテナンス方法

【オイルドレザーなめし】とは、主に魚脂などの動物油でなめし加工された革で、
「オイル・レザー」、「オイル・アップ・レザー」とも呼ばれています。

 

革に独特な光沢感があり、シットリした肌触りが特徴的です。

 

また、なめされたオイルによる撥水性が強いので、
水分による劣化が少ない革といえます。

 

 

オイルドレザーのメンテナンスは、
メンテナンスの周期は「2〜3ヶ月に一回」くらい。

 

銀面を布で優しく乾拭きし、『マスタングペースト』
『ラナパー』などの固形WAXを「極薄に」塗ったあと、

 

柔らかい馬毛のブラシで丁寧にブラッシングすれば完了です。

【クロームなめし(ウェットブルー)】 の特徴とメンテナンス方法

【クロームなめし(ウェットブルー)】とは、硫酸クロム、
重クロ ム酸ナトリウム、カリウム塩、クローム塩などの
金属を用いた科学的製法による「革のなめし製法」です。

 

 

短期間で多くの製品をつくる際に便利ななめし方なので、
ファッション用の衣料用レザーやレザーバッグなどでは、

 

実に7割以上をしめる「革のなめし製法」といわれています。

 

その他にも、靴、手袋用、インテリア用などにも使われています。

 

 

「クロームなめし」でなめされたレザーは、
革の切り口(コバ面)が青白色く表面に光沢感があり、
ソフトな風合いで、水や熱にも強いという特徴があります。

 

 

「クロームなめし」は、「タンニンなめし」に比べて、
作業工程が省力出来ることから、

 

時間も早く安価で革を加工できる反面、
なめし工程で使っている「クロム物質が」が革の廃棄などで

 

焼却した際に、人体に有害な6価クロム化学反応を起こすため
処分の注意が必要となります。

 

もちろん、通常、使用する分にあたって人体に影響はありません。

 

 

クロムなめしレザーのメンテナンスの周期は、
「2〜3ヶ月に一回」くらい。

 

銀面を布で優しく乾拭きし、『マスタングペースト』
『ラナパー』などの固形WAXを「極薄に」塗ったあと、

 

柔らかい馬毛のブラシで丁寧にブラッシングすれば完了です。

【混合なめし(コンビネーションなめし)】の特徴とメンテナンス方法

混合なめし(コンビネーションなめし)とは、2種類以上の
「なめし製法」の特性や長所を活かした「革のなめし製法」です。

 

作りたい革の用途や目的によって、
必要な特性に設計できる科学的な「なめし製法」です。

 

 

「タンニンなめし」ほどの仕上がりににはなりませんが、
タンニン風レザーの感じを出すことが可能な「なめし製法」の割りに、

 

「クロームなめし」と同じようなコストで製作可能なので、
現在のファッション業界では最もポピュラーな
「レザーのなめし製法」となっています。

 

 

通常は、「クロームなめし」のあとに
「タンニンなめし」をする順序でおこないます。

 

野球グローブに使用される牛革グローブレザーなどは、
「コンビネーションなめし」が採用されています。

 

 

それとは逆に「タンニンなめし」のあとに、
「クロームなめし」をすることを『逆コンビ(なめし)』といいます。

 

 

混合なめしのレザーのメンテナンスの周期は、
「2〜3ヶ月に一回」くらい。

 

銀面を布で優しく乾拭きし、『マスタングペースト』
『ラナパー』などの固形WAXを「極薄に」塗ったあと、

 

柔らかい馬毛のブラシで丁寧にブラッシングすれば完了です。

【油なめし】の特徴とメンテナンス方法

「油なめし」とは「動物の油(脂)」に漬け込み革をなめす製法です。

 

セーム革などがこの「油なめし」でなめされていて、
非常に柔軟で、吸水性・耐水性に強く洗濯も可能な仕上がりになります。

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